退職事件
11月7日火曜日晴れ。ものすごい風が吹いています。気温もぐっと下がりました。夜に向けて冷え込むとのこと。暖かい格好で出かけましょう。
「日没後おもう」の続き
大学に行くことを決めたのは2002年9月。早速大学探しを始めました。梅田スカイビルで行われた大学説明会に参加。各大学のブースをいろいろと回りました。そこで目に付いたのが夜間に勉強ができる2部を設置している大阪経済大学でした。昼間働いて夜勉強をする。学費も補えるしこれは一石二鳥だと思いました。しかも「机上の論理を社会で実践する」という最も自分に力を付けるのに早い方法だなと感じました。
後日オープンキャンパスに参加。大学も家から近いということでここに決めました。ものすごくわくわくしていました。2部には社会人の方も多くいると聞きましたし、意欲のある学生が集まるというのでいい環境で勉強できる、そういう期待が大きく膨らみました。
当然退職をするのですからその旨を会社の上司に伝えなければなりません。「12月いっぱいで退職する」と10月最初の月曜日に上司に話をするつもりでした。ところがいざその日、いつも通り作業をしていると工場長がわたしの製造ラインに来たのです。「今日は残業なしだ。大事な話がある。17時になったら事務所に来い」
定時になり事務所へ。そこにはわたしのことを可愛がってくれていた係長もいました。係長とわたしが二人並び対面に工場長。
工場長「君にとってすごいチャンスだ!新工場建設が正式に決まった。最新の設備が揃うすばらしい工場になりそうだ。その立ち上げの中心者として各工場より選抜された5名の中に君が入った。しかし、将来を約束されたわけではない。今後3年間で様々な勉強をし資格をとりこの5名で競争してもらう。このうち2名を最終的にライン長として残すつもりだ。うまくいけばゆくゆくは工場長も夢じゃない。そうなれば給料も賞与もたくさんもらえる!こんなチャンスはないぞ!君なら間違いなくそのチャンスをものにできる。理解できるね?やってくれるね?」
係 長「…」
わたし「それはもう決まったのですか?」
工場長「ほぼ決まりだ。君の意思を確認したい。しかし…これは業務命令だ。君にやってもらうつもりだ。」
わたし「…」
工場長「なにかあるのか?とにかく少し時間をあげるから前向きに考えてくれ。」
係長とわたしは別室へ。係長もこの件は初めて聞いたとのこと。浮かない顔のわたしに気づいたのかいろいろと話を聞いてくれました。仕事がきつい。精神的にもきつい。そして新しい夢のために大学に行きたい。すべて話しました。係長は笑顔で「とにかく一週間考えなさい。退職の意思が変わらないならちゃんと俺に言ってくれ。その意思を工場長に一緒に話しに行こう」
それから一週間悩みました。親にも相談しました。真剣に考えました。なぜか涙も出てきました。答えは出ました。「12月退職」
いざ工場長のいる事務所へむかう道。係長とわたし。一歩一歩が重く足にのしかかります。係長も意を決した顔つき。扉を開けていざ工場長のもとへ…。
次回につづく